Burn it Up【中編⑵】

Burn it Up 懐古と挑戦と伝説のユニット編。
ミイヒちゃん以外のメンバーの話もちょっとだけ



「虹の向こうへ」「Boom Boom Boom」の直後に虹プロジェクトの映像を入れてくるNiziU、なんというサプライズだ。オタクの心鷲掴みじゃん。

先陣を切って画面に映されたのは14歳でまだ練習生なりたてのぽやぽやミイヒ。声出そうになった。そこからどんどんと辿っていくNiziUたちのNiziUになる前の歴史。まだ初々しい彼女たちが懐かしい。まだ2年?もう2年?あっという間の毎日が濃すぎて、時の流れが曖昧になってる。

ここで終わりじゃなく ここからが始まりだからと涙ながらに未来を誓ったミイヒちゃんのコメントがあの頃より少しだけ眩しく感じた。


映像が終わると、考える隙を与える暇もなく流れ始めるのは鼓動の音色。あの頃の記憶が蘇る。思うように評価がもらえずもがき苦しんでいた1人の少女が世界に与えた衝撃が、今、目の前に広がる。

ユニットステージの始まりを告げる特大サプライズの一撃目は「Heart Beat」だった。

マユカのまるで魂そのものが叫んでいるようなラップに 重厚感のあるマコのオーラが重なり、会場のボルテージはMAXまで上昇。リク、アヤカ、当時のメンバーが顔を出すと共に更なる衝撃を加えたのがリオ、マヤの登場。ダンスで視線を引き寄せる2人だったが同じく歌のクオリティも高くて(あくまで素人耳だけど)。相手の感情を揺さぶるパフォーマンスをまっすぐ届けてくる6人の姿はとてつもなく大きく見えた。

最後、会場が赤と黒の世界に染まりマユカの力強い瞳と掌を目に焼き付ける。彼女から感じる絶対的な「主人公」オーラに5万人が圧倒される空気がドーム中を包んで、きっと誰もが彼女を誇らしく思ったことだろうと今でも感じている。



興奮冷めやらぬまま鳴り出すのは静かなギターの音。某ガリレオの如く脳内を虹プロの記憶が駆け巡り、必死になってフォルダからイントロが合致する楽曲を探せば一致するのはもう " アレ " しかない。

金色の衣装にマイクスタンド、場内に響くはまさしく " 美声 " 。観客のざわめきを誘うように耳に届いた「Nobody」のメロディ。それは確かに虹プロジェクト史上最高傑作として語り継がれる伝説のミイヒソロステージの復刻版だった。

そして、東京ドーム0番に立つミイヒの隣にはNiziUが誇るハイトーンボイスの申し子ニナとカリスマ性に溢れたリマの姿。最強マンネラインによる伝説への挑戦が始まろうとしていた。

Nobodyという楽曲は、もともとの曲の難易度が高いように感じる。ただ悲しげに歌うでもなく それでいて大袈裟な表現はむしろ悪手になるから。15歳のミイヒはそれを自分の中に取り込み、さらにそこに自分の色を重ねることで " MIIHIのNobody " という世界を創り上げた。この行為がいかに大変であるかは想像に難くない。だからこそ必然的に新たにこれを歌うとなるとハードルはぶち上がる。ミイヒにしてもリマニナにしても、だ。

パフォーマンスのクオリティは実に高かった。ニナの歌唱力はもちろん何より驚いたのはリマが作詞したラップ。アリーナツアーにしてもそうだが、NiziUのパフォーマンスにおいて彼女の貢献度はかなり大きい。なんてクリエイティブなアイドルだろうか。彼女の言葉選びと表現に心震わされるばかりだった。

そしてミイヒ。どこまでも進化の止まらない最高の推し。彼女は常に私たちの想像しうる「最高」をその努力と才能を持って大きく塗り替えてくるのだ。吐息すらも音楽へと変化させ、髪の毛の揺れさえもまるで踊りのように魅せてしまう。艶やかな雰囲気さえもあの頃と同じように、あの頃よりずっと進化して私たちの目の前に存在している。涙が止まらなかった。2年前画面の向こう側で見たあの景色が、あの感覚が、今自分の手の届く場所にある感動が胸に広がった。伝説への挑戦は新たなる伝説の誕生を意味していたように感じる。ただただ最高だった。



会場が暗転し、MCへと突入。明転した瞬間にお尻フリフリしながら衣装シャンシャカするミイヒちゃんが目に入る。

何してんねん。

レジェンドだとかなんだとか褒められて恥ずかしそうにしながらも満更じゃなさそうなミイヒちゃん。去り際も可愛く!と注文されてお上品に手を振ったと思えば、またお尻をフリフリしながら退がっていく。

何してんねん。


ツッコミどころ満載ながらも虹プロステージにかける思いを語ってくれたマコリク・ミイニナの2人に拍手を送って、東京ドームはいざ次の曲へと舵を切った。



アリツア特別ユニットの再来1発目は「Take it」だった。圧倒的カリスマ性を誇る赤、ドームの熱を煽る緑があの頃よりさらに大きな会場をいとも簡単に染め上げる。たった2人で熱を高めるリマユカは確かにNiziUが誇る最高のラッパーだ。


続いてダンスチームの「Bang Bang」個人的にダンスもそうだがマコちゃんの高音が堪らん!!!!!!常に進化を続けるリーダーの逞しさやメンバーひとりひとりと目線を合わせる笑顔から感じる人柄。真実・誠実・謙虚に申し分ない実力て、正面で彼女を見ていたパク・ジニョンもにっこりが止まらないのではないだろうか。私はにっこりした。


ボーカルラインの「Never enough」で絶対に忘れたくなかった景色、ドームのど真ん中でひとりスポットを浴びるミイヒちゃんの姿を見ることができたのが1番嬉しかった。綺麗だった。力強く切ない " For me " があまりに美しくて、正直他の音など耳に入れたくなかった。服の擦れる音、呼吸音、全てを無視して彼女の音だけを耳に入れたいと心の底から思うほどに、圧巻のパフォーマンス。アリツアの時点で上手い下手の域を超越したミイヒちゃんだったけど ドームになって更に歌唱力ぶち上がってた。凄くて 凄すぎて 何を言ってもそれとは違う気がする。うまく言語化できないなあ 難しい。でもすごく素敵なことに違いなかった。




映像がこれまでの色合いとは少し変化して私たちの元へと届く。赤と黒を基調にクールな表情を決めるNiziUのメンバーたち。光灯され扉が開いた先には「We need U」「We NiziU」の文字。ラストスパートの幕開けだった。




さて、ここまででようやく中編が完結。果たして後編を1枠で抑えられるのか。最後の戦いはすでに始まっている。









続く