僕らの " らしさ " が世界を救う。【Paradise / 歌詞】

NiziU最新曲「Paradise」の歌詞が好きすぎる。

※あくまで個人の主観に基づく話 + 映画未履修です


NiziU(니쥬) 5th Single「Paradise」M/V - YouTube
( 作詞 : AKIRA / Bang Chan . Changbin . HAN )




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[リマ] 昔々きいた話


Aメロ冒頭、御伽話の語り口としてよく使われるこのフレーズがこの曲の第一声を担った。

個人的な認識としては、御伽話はあくまで想像上の話。その代表格であるフレーズを使うことによって、今回主題歌を任されているドラえもんの副題に含まれる「理想郷( = 想像上の、理想的で完全な社会 )」を重ね合わせた " 理想の世界 " を演出しているように思った。






[リマ] ふたつの虹を超えたその向こう
[マユカ] 光り輝く泉がある
その水面 映るのは ほんとの自分


ふたつの虹を文字通り受け取るのなら、それは幸運の象徴とされてる副虹(二重虹)のこと。なかなか出会うことができない稀な存在だからこそ、出会えたこと自体が幸運だとされてる。

そしてその虹を超えた先にある泉に映るは「ほんとの自分」。(泉に自分が映ると言う展開はみにくいアヒルの子モチーフかも)


きっと、この曲において、理想郷とは自分が本当に自分らしくいれる場所。

自分らしくいれること、それを素直に認められること、案外簡単ではなく当たり前にそれができる世界に出会えることは幸運なことなのかもしれない。




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[マヤ] しあわせは今 しあわせは空
[リオ] Let’s fly fly & fly We fly & fly
目と目を合わせ
[マヤ] 信じあえるよ 感じあえるさ
[アヤカ] Let’s fly fly & fly We fly & fly



曲中で最も抽象的で、聴く側の感性によって答えが違いそうなフレーズが登場するこの部分。

ポスターでも予告でも登場する「空」は今回主題歌を担当する映画「ドラえもん のび太と空の理想郷」おける重要な存在であり、作品とリンクする言葉であることは想像に難くない。

映画と主題歌はふたつでひとつ。「空」というワードひとつでパズルのピースがはまるような気持ちよさがある。作品を知らずに曲を聴くのと、映画を鑑賞した後に曲を聴くのとではこの言葉の意味も重みも変わってくるのだと思う。





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[アヤカ]いつか
[リク]わかるだろう 君にはもう
君だけの色も形も優しさも強さもあるんだ
[マコ]上手くいかなくたって 失敗ばっかりだって
ぼくはここにいるよ



" 上手くいかない、失敗ばかり " のフレーズでよぎるのは普段は冴えないでいるのび太の姿。それでもぼくはここにいると差し伸べられたのはきっとドラえもんのまるくて優しい掌。

ダメでも冴えなくても、君にしかない君らしさがあって、その " らしさ " を「ぼく」が認めてくれる。其処にいてくれる。

これまで彼らが築き上げてきた絆というものを強く感じるBメロが私はとても好き。




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[ミイヒ] I love you so much 大好きなんだ
そのままで 大好きさ Paradise
宝物はそこにあるよ 気がついてよ
[ニナ] 世界中探しても 君は君しかいないよ
広がる楽園 繋げよう 誰も誰もが Paradise



君には君だけの良さがあると前置きした上で「大好きだ」と何度も歌い、" 君 " の全てを肯定するサビ、人は好きという言葉でこんなにも勇気をもらえるんだって聴くたびに涙誘われる大好きなパート。

それに続いて「そこ」つまり " 君 " のすぐ近くに宝物があると太陽のような歌声が導いてくれる。

いま、この世界中どこを探しても君という人は君しかいないのだから、君自身も本当の君を認めていい。生きる誰もにその権利がある。そう伝えてくれるサビのメッセージ性の強さが、これまで以上に聴く側に熱い感情をもたらしてくれるのだろう。





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[リオ] 雨が降れば ぬかるむ道 Oh yeah
[アヤカ] 道端に咲いた花に集まる蝶を
[リマ] 照らす太陽は全てを温め 乾いた道に雨は降る
あたりまえだけど奇跡



「雨が降る」のは悲しい出来事や苦しい感情を思い起こさせる出来事、そして人生そのものの比喩である「道」。

ぬかるんだ道の端、降った雨で育った花(=君)に集まる蝶(自由の象徴)を太陽(ポジティブな出来事・存在)が照らし、道は乾き、また雨が降る。雨が降っても道は乾く。この繰り返し。

自然が起こす現象は毎日当たり前のようにそれを繰り返していて、それと同じように人もいろんな起伏を繰り返して過ごしてる。

落ち込んでは立ち上がって、立ち上がっては落ち込んで。そうやって生きてきた人たち全員を肯定する " 当たり前だけど奇跡 " というひとフレーズは、聴いている私たちだけじゃなく、喜怒哀楽いろんな毎日を過ごしてきたであろうNiziU自身にも手を差し伸べているように思えた。





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[マユカ] 小さなちっぽけな今には
大きな大きな夢が詰まっているの
[マヤ] 悔しさに泣いたって 手を差し伸べるから
[ニナ] ぼくはここにいるから




まだ出来ることが少ない、掲げた未来にも遠い「小さな今」だとしても、そこには「大きな夢」が詰まっている。夢は可能性と同じこと。たとえ君がちっぽけな自分にうつひしがれたとしても、ぼくは手を差し伸べる。

そんな言葉に、普通の女の子として生きてきた彼女たちが世界的に活躍するアイドルになるという目標を掲げ韓国に渡って夢を紡いできた過去を思い出さずにはいられなかった。





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[リク] I love you so much 大好きなんだ
そのままで 大好きさ Paradise
宝物は君なんだよ 気がついてよ
[ニナ] この惑星の歴史にも 君は君しかいないよ
[マコ] 目に見えないけど確かに
ひとりひとりの Paradise



1番と同じフレーズの中で宝物が「そこにある」から「君なんだよ」へと変化。1番よりさらに強く " 君 " という存在を肯定してくれている。


そして、映画に登場する「パラダピア」にかけているであろう惑星(ほし)というワードが登場。ここでも、1番の世界中に対して惑星の歴史という変化が起きている。

惑星の歴史は人間の一生とは比にならないほど長いわけで、そんな長い時間どこをとっても「君は君しかいない」と言い切ってくる(過去も未来も自由自在に行き来できるドラえもんの主題歌でこれを歌うとは…)

過去でも未来でもなく、今を生きる君は後にも先にも君しかいないのだと。

このフレーズもまた、1番で提示した想いをさらに強調して伝えてくれているのだと思う。






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[ニナ] しあわせは今 しあわせは空
[Niziu] Let’s fly fly & fly We fly & fly
[ニナ] 目と目を合わせ
[ミイヒ] 信じあえるよ 感じあえる
だから大丈夫 心のまま行こう Paradise




ここまで君という存在を大きな肯定で包み込んだ上で最後に「大丈夫」という耳馴染みすぎたその言葉はむしろ聴く側に絶対的な安心感をもたらしてくれる。

そして繰り返し伝えられる大きく朗らかな愛情を締め括るのは「心のまま行こう」、行く先は「paradise」、なにも臆することなく自分らしく生きていいのだと言ってくれているように感じた。




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NiziUはデビュー当時から「私は私なのだから」「ありのままでいいのだ」と歌い続けてきたグループだったけど、「私」がいつしか「君」へと変化していた。なんとも頼もしい人たちだろう。


この人たちだからこそ紡がれた言葉に説得力が増し、人々を感動させるのだとこの曲を通して改めて思った。





私もせめてこの曲を聴いている瞬間だけは自分を認めてあげられるようにいたい…(急にネガティヴ)

素敵な曲をありがとう、NiziU!